幸せに生き抜くために

教員時代、車椅子で生活しているお子さんを担任させていただいた事があります。

幼い頃からたくさんの大人と交流してきたため、人懐っこく、色んな言葉を知っていてお話もとても上手だった彼。

一方で、入学するまで同年齢くらいの子どもとの関わりが乏しかったため、同じクラスのお友達には「貸して」「見せて」の一言すら言えないくらい、自分を出せずにいました。

その場しのぎで対応するなら、私が何でも彼に代わってするほうが早いし簡単です。

しかし、周囲の人々のサポートが不可欠な彼にとって必要なのは、そんな上辺の優しさではありません。

困ったときには誰かにお願いして良いし大切な事だという考え方を教えること。

たとえ苦手でも、自分の想いを自分の口から伝えるという経験を少しずつでもさせること。

彼にとっては、小学校1年生で出会った私が、おそらく人生で一番厳しい先生だったと思います。ごめんね。笑

今でも偶然会えば満面の笑みで挨拶してくれる彼。

彼やご両親が笑顔で幸せなら、私も幸せです。

犬が苦手でなければ、いつでも犬寺子屋に遊びに来てね(^^)

「日の出だね〜」「そだね〜」

犬寺子屋では「5つ教えて3つ誉め、2つ叱る」ということを大切にしています。

誉めるだけ、叱るだけの偏ったトレーニングはいたしません。

まだ理解していない事を叱るようなこともいたしません。

犬に伝わる方法で、理解するまではひたすら教えることを繰り返します。

犬自身に自分で考えさせ自発的に行動できるようにするためには、教える、経験させるという基礎の部分がとても大切です。

目の前の子が幸せに生き抜くためには何が必要か。

その場しのぎのものではなく、将来のことまで考えて関わることを大切にしたい。

その想いは、子どもに対しても犬に対しても、やはり変わりません。