県外に行き「香川県から来ました!」と言うと、大抵「あぁ…野犬の多い県ですね!」と言われます。香川県…どうやらそんなイメージのようです(T_T)
確かに香川県は、何代にもわたり人目にふれず人の手に接触することもなく繁殖を繰り返してきた、生粋の「野犬」が多いです。
彼らが人間と暮らすために最も大きな壁となるのが、”人馴れしていないこと”。
人に飼われていた経験があり、何らかの事情で迷子になりウロウロしているような「野良犬」とは、性質がかなり違います。
犬寺子屋でお預かりトレーニング中の2頭のワンちゃんも、明らかに野犬の血が濃いと思われる子たちです。
推定生後3ヶ月くらいで保護をされたようですが、そんな小さな時期からすでに、人に対する拒絶の気持ちを持っている犬だということは、私から見てもわかりました。
もし生後1ヶ月くらいで保護をされていれば、人馴れ具合は違っていたと思います。
そんな子たちに、人と暮らすための訓練を私がすることは良いことなのか?この子たちにとって幸せなのか?正直、葛藤はありました。
人馴れしている子と全くしていない子とでは、トレーニング開始時のスタートラインが全く違います。
以前、ブログにも書きましたが、とにかく「さわれない」のです。トレーニングが可能な状態ではありません。
野犬特有の動きで、常に私と対面するように体を向け、私が移動すると正反対の方向に素早く逃げるのです。身を守るための本能なのでしょうね。
少し撫でることができても、さわられるのは嫌いなので、ワンちゃんにとっては誉められたとは感じません。
ハウスではひたすら気配を消し、吠えることもなく、攻撃してくることもないので、叱るポイントも無いのです。
来客があったり、病院に行ったりする度に、恐怖心から大量の脱糞爆弾が炸裂していました。
そんな毎日の中、日々のお世話を続けながら、ひたすらワンちゃんから歩み寄ってくるのを待ちました。
私を見る目が柔らかくなり、少しずつ距離が縮まり始めたのは、お預かりして4〜5ヶ月くらいたった頃でした。
ついに来たー!!!!!!
本当に少しずつです。まだ、人馴れは40%くらい。しかもまだ私にだけです。
でも、その瞬間の感動といったら!!
野犬の子に「人馴れ」という壁を越えさせるのは、訓練をしても完全には難しいと考えます。
距離が縮まり始めたと同時に、最近では、吠えたりやんちゃな部分が出てきたり、隠し持っていた素の部分もちらほら見え始めました。笑
人一倍(犬一倍?)繊細なこの子たちにとっては、今はそれでいいのです。本格的なトレーニングを始めるには、もっと距離が縮まらなければ逆効果になってしまいます。
人と暮らすことに慣れ、基本的なマナーを身につけ、飼い主さんがお世話を問題なくできるようになったら卒業です♪