「家では親の言うことなんて全然聞かないんです!手に負えなくて…」
「親が叱っても言うことを聞かないので、先生、うちの子をどんどん叱ってください!」
教員をしていた頃、保護者の方からこのような相談をされることがよくありました。
成長の過程において大切な反抗期の時期にいる子どもへのかかわり方は別として。
自分の子が良くない言動をしたときに「言うことを聞かない」「手に負えない」!?!?
10歳にもならない子ども相手にこれでは、この先この子たちはどんな大人になっていくのか。
…完全に親子の立場が逆転しているのが原因ではないでしょうか。
人としての権利は親も子ももちろん平等なのですが、立場が対等ではうまくいかないのは当然です。立場が逆転するなんて、以ての外!
親子は友達ではないのですから。
犬寺子屋では、集団の中で学ぶ時間、個別レッスンする時間の二つを設定しています。
集団になると、ワンちゃん同士で上下関係ができてきたり、対等な関係で遊べる仲間が見つかったりと、個別レッスンだけでは見えない一面が見えてきて、人間関係ならぬ犬関係って興味深いなと考えさせられます。
犬同士で解決できることは基本的には犬に任せるのですが、問題は一方的にやられていたり喧嘩が勃発したりしたとき。
その場合には、人が間に入り適切に対処する必要があります。
そのときに、人より犬のほうが立場が上、もしくは対等だと犬が勘違いしていたら、人に対して牙を剥く可能性もあり、大変危険です。
人も犬も生まれながらにもっている権利は平等、しかし立場は必ず人が上であること。
ワンちゃんの暮らす環境が人が中心の世の中である以上、犬に勘違いさせてはならないことだと、私は考えます。
“友達のような親子関係” “犬と対等な関係”
確かにうまくいけば理想の関係かもしれませんが…。